前中心(CF)を倒すパターンメイキング〜鳩胸小胸バレリーナ体型の克服〜

むかーしむかし、ドイツに住んでいた私。
1歳半から5歳まで。
初恋はキンダーガーデンで靴紐を結んでくれたちょっと年上のイケメン金髪碧眼のトーマスくん。
一番のお友達はまん丸の茶色い瞳にくるくるふわふわの猫っ毛のジャーナ。
日本人の私にいつも構って遊んでくれたアヴリルみたいにハードなメイクでパンクでおしゃれなターニャ。

バレリーナのチュチュが着たくてバレエ教室に通っていたあの頃。
真っ白でサテンのように艶やかなレオタードにこぶりのチュチュ。
白いタイツに薄ピンク色の子供用バレエシューズを履いてリボンを足首に結ぶ。
正座をして、眼前の空に目に見えないお星様を見て親指と中指でそっと美しく摘みとって、お膝の上に優しく置く。
床に置かれた2本の並行な紐の間には小川が流れていると思って、美しく軽やかなステップで飛び越える。



「頭の上についている紐を上に引っ張るように姿勢をまっすぐにするのよ。」
もう忘れてしまったドイツ語で先生がそう教えていたのは今でも覚えています。

そうして背筋をピンと伸ばすのが”良い姿勢”だと思って胸を張って生きていたら・・・
背骨がまっすぐなストレートネック×ストレートバック×反り腰に😭
どういう仕組みなのかは分からないけど、多分これが鳩胸小胸の原因。
バレエが、というよりは体の使い方の問題かと。

このような体型のおかげでお洋服にはよく悩まされてきました。
シャツが似合わない
ジャケットが苦しい
バストやデコルテのあたりが浮く
プリンセスラインがしっくりこない
バストとアンダーバスト、カップのバランスがなんか違くて合うブラがなかなか見つからない
などなど・・・

そんな私でも原型を作ればどんな服だって着こなせるはず!
そう思って文化のテキストを読みながら原型を作図していましたが、やはりテキストの例にある補正だけではカーバーできず。
ベーシックに作った原型トワルを着ると前腕の付け根、小胸筋の辺りが窪んでいて浮いてしまいます。
自分であれこれ考えに考えて至ったのが
「前中心を倒す」です。

製図用紙の上にCFを倒したパターンを乗せて傾き具合を比較⤴︎

だいぶネックポイントの位置が肩側にズレましたね…!

傾きに合わせて前裾も垂直にするために少し上げました。

前中心を倒すという発想は、以前こちらのお洋服を分解するのが大好きな人が書いていたブログが面白くてハマって読んでいた時に学んだ古典的手法からのものです。
2回イベントにも行ってご本人のアトリエにお邪魔したりお話ししたこともありました、懐かしい🍵
むかーしむかしのジャケットは前中心がびっくりするほど傾いていてびっくりするほど肩線が下がっているんですね。
これを知らなかったら、前中心を倒すなんて思いつかなかったかも。
だってCFって基準線としていつも垂直でまっすぐだもの。
ジャケットの製図ではちょっと傾けてたっけかな?

そうして修正に修正を重ねてなんとかマイ原型ができました☆

アームホールの尖りとか細かい部分も後でちゃんと直しました👍


苦しくない!浮いてない!素晴らしい!!👏👏👏

今、初めてのマイ原型で製図したワンピースを作っているので出来上がりの着心地が楽しみです♪
仮縫いのトワルを着ている限りでは悪くない、いや、良くなるように作ってるからもちろんそうなんだけど。
ほんのちょっと不安😓
ゆとりが、足りないかも・・・?
可動域とデザインのバランスの取り方がまだ分からない💦
今回のデザインは原型を作る前から考えていた50年代風のオープンカラーなので、次回は普通のシャツカラーを作ってみて首元が苦しくないか確かめたいと思っています。
とっても素敵な生地も買ってしまったし💛

さて、続きを縫うぞ〜🪡